あれよあれよと前の投稿から1ヶ月経ちました。なんか知らんが、いろいろと忙しくて…
しかもその間にMicrosoftがやらかしたみたいですね。
(致命的な認証・アクセス障害とか、タスクマネージャーのゾンビ化とか)
別に私はMicrosoftを擁護している訳ではないですが、まぁこういった事も起こるよね。としか思わなくもないです。
■Windowsの置かれた立場
単純に「Microsoftがまたやりやがった!許せん!」と書いちゃえば楽なんですが、そんな普通な反応じゃ生粋の天邪鬼である私は我慢できないので、もう少し丁寧に分析しましょう。
まず、根本的な足かせがあって、Windowsの使用者の環境が多種多様というところが、この問題を難しくさせてます。
普通、職場と自宅のPC環境は違いますよね?私の好きなネットカフェでも、ビジネス用途とゲーム用途でPCが分かれてます。
それらのPC環境を分ける要素は主に構成パーツになります。
メーカーで分けてみると、CPUはIntel・AMD・新参のQualcomm Snapdragon。グラボはNVIDIA、AMD、Intel。
マザーボードメーカーは代表的な物でASUS・MSI・Gigabyte・ASRock。
ストレージデバイス、ネットワークカード、サウンドカード、周辺機器等も同様に多数のメーカー製パーツが存在。
それらの組み合わせは膨大なものになります。
過去には参入していたメーカーもありましたし、今後参入するメーカーもあるでしょう。
これらは各ベンダーが提供するドライバーがOSに組み込まれ動くわけです。
もう分かると思いますが、これらの組み合わせパターンを全て想定してOSのアップデートやセキュリティーパッチを組まなきゃいけません。
細かく言えば、企業向けのActive Directoryやグループポリシー設定も絡んできます。
これは歴史的にMicrosoftが取ってきた戦略※に関わる足かせでもありますが、この恩恵をWindowsユーザーは受けてきました。
先に述べた使用目的に合わせたPC構成、ハードウェアメーカー間の価格競争による低コスト調達。ソフトウェアでも基本的に下位互換で場合によったら20年前のソフトウェアが今でも動いたりします。
つまり、Windowsユーザーは「選択の自由」と「価格の安さ」と「長期運用の安定性」を享受してるのです。当たり前すぎて気づきませんが。
※Microsoftは「様々なメーカーのハードウェア上で動くOSを売る」OEMモデルとしてシェアを伸ばしてきました。
■本来のOSの役目とは?
OSの主要な役割は大きく3つあります。
・ハードの違いを埋める
難しく言えば、ハードウェアの抽象化と言いますが、CPUで言えばIntelやAMD、GPUならNVIDIAやAMDなどの各メーカーのハードウェアの違いを、OSが間に入って吸収するので、アプリケーション側は意識せずに動かせる。これがハードウェアの抽象化です。
※厳密に言えばOSの定めるアーキテクチャやAPI(Application Programming Interface)に従う必要があります。言ってみればOSの仕様は「標準規格」とも言えます。
・リソース管理
メモリやCPUの処理時間、ストレージへのアクセスなど、限られたリソースを複数のアプリケーション間で配分する機能。
・統一したユーザーインターフェース(UI)の提供
ウィンドウの表示方法、ファイルの操作方法、アプリの起動方法など。
※この件は、たびたびMicrosoftさんは叩かれてますし、私も同意する部分もあったりなかったり…
(何か違いを出さなきゃいけないのは分りますがね)
これらはMacでもLinuxでも変わりないですが、MacはAppleが設計したハードウェアでしか動きません。使える周辺機器なども厳しく管理されてます。
だからこそ品質が高いんだ!という主張もありますが、私が昔見た、OSとはなんぞや?と言うことでOSの役目を解説していたPC雑誌の記事には、「OSはハードの違いを埋める 」役割を強調してました。約40年ほど前になります。
当時は8ビットホビーパソコンが主流のOSなんぞ主役でもない時代でしたので、ずいぶんと先鋭的な記事でしたね。
その知識があるので、「Macの方が安定していて無駄なアーキテクチャではない」みたいな言説を見ると「そりゃそうだろ。OSが機械選んでるんだから」と思ったもんです。更に言えばAppleはレガシーハードや過去のソフトウェア資産も平気で切り捨てる…と、ここまでにしときましょうか。
■もう少し昔話をしましょう
MicrosoftとAppleの「開放性」と「統制」の違いは、歴史的な経緯があります。
・IBM-PCとクローンマシンの時代
1981年、IBMがIBM PCを発表した際、彼らは意図的にオープンアーキテクチャを採用しました。仕様を公開し、サードパーティーがハードウェアを製造できるようにしたんです。
結果、Compaq、Dell、HPなど多数のメーカーがIBM PC互換機(いわゆるクローンマシン)を製造。価格競争が起き、PC市場は爆発的に拡大しました。
Microsoftはこの波に乗り、MS-DOSそして後のWindowsを「どのメーカーのPC/AT互換機でも動くOS」として供給する戦略を取った。これが現在のWindowsの立ち位置を決定づけたわけです。
※ですから今のMicrosoftの置かれた状況は自分がまいた種でもあるんですが。
・Appleの対照的な戦略
一方、Appleは一貫してハードウェアとソフトウェアの両方を自社で管理する垂直統合モデルを採用。Macは「Apple製ハードウェアでしか動かない」のが原則でした。
しかし、スティーブ・ジョブズが追放されていた1990年代中盤、Appleは慢性的な経営不振に苦しみ、方針転換を試みます。Mac互換機(Macクローン)の製造を認めたのです。
ですが、見事に失敗。互換機メーカーがApple純正機よりコスパの良い製品を出し、Appleの利益を圧迫。1997年にジョブズが復帰すると即座に互換機ライセンスを打ち切り、再び垂直統合モデルに回帰しました。
要はどちらが正しいというより、それぞれ違う戦略を選んだ結果、違う課題を抱えている訳です。
ですから今のAppleが重要視するのは「ユーザー体験」とMacとiPhone、iPadがシームレスに連携する 「エコシステム」です。
そして、その上で成り立つブランド戦略。
Appleユーザーの多くは「スペックシートには現れない価値」にお金を払っている。
(と、私は勝手に定義します)
一方、Windowsは「選択の自由」が提供されている。
ゲーマーはNVIDIA最新GPUを積んだマシンを組めるし、予算が限られていれば格安で組める。業務用途なら必要なスペックだけ揃えられる。
どちらが優れているかではなく、どちらを選ぶかは「何を重視するか」なんでしょう。
語ればキリがないですが、私はWindowsの「自由」を重視してるだけなんです。
ですので、ある程度のMicrosoftのやらかしはしかたないものとして享受してます。必要コストです。
幸いクラウド環境が整ってきましたので、自主バックアップシステムと組み合わせてWindowsに万が一のことがあってもなんとかなるようにしてます。安定環境はLinuxで別途構築すれば良いですし。
(かといってLinuxがWindowsの代わりに使うという事にはできませんが)
ひとまず今回のエントリーはここで締めます。もう結論っぽく語りましたが、もうしばらく続きます。TRONの件もありますしね。
ではまた。